電動アシストスポーツ自転車の価格の違い!?

電動アシストスポーツバイク入門者の前に立ちはだかる最初の壁、カタカナで羅列された難解な専門用語。そして始めに挙げられるワードに〈コンポーネント〉があります。〈ブレーキ〉や〈チェーン〉であれば、想像もつきますが、日常的に聞き慣れない言葉となると??ですよね。では〈コンポーネント〉とはど何を指す言葉なのでしょうか?

自転車業界では、フレームを除く主要な構成パーツのことを総じて〈コンポーネント〉と呼んでいます。コンポーネントメーカーの代表格であるシマノの場合、ペダルやホイールまでコンポーネントの一部としていますが、一般のユーザーは変速&駆動系(クランク、ディレイラー、シフターなど)&制動系パーツの集合体を〈コンポーネント〉と捉えているようです。電動アシストスポーツバイク系の場合、このコンポーネントにもいくつかのグレードがあり、同一フレームの場合、そのグレードの差によって車両価格に差が生じてくるのですが、電動アシストスポーツバイクはこれ以外に電動コンポーネント(モーター、バッテリー、センサー、コントローラー)が付きます。

電動アシストコンポーネントとは
わかりずらいとは思いますが、<モーター>クランク部に付くミッドモーター、リアハブに着くハブモーター、フロントタイヤに着くモーターと3種類があります。電圧は、24V、36V、48V、(ボルト )と12V刻みで上がっていきます。一般的には24〜36V、が使われ、48V以上は高電圧モデルとなります。<リチュウムイオンバッテリー>は容量で表示される場合が多く、一般的に5AH、10AH、12AH、(アンペアアワー)が多く、15AH〜20AH以上は大容量モデルとなりアシスト航続距離も長くなります。脚力を感知する<センサー>は、トルク、ケイダンスと2種類に分かれます。この3つを制御するコントロールシステムがあります。ブランドとして、モーターは、ボッシュ、バーファン、シマノなどが世界的に使われてるメーカーです。自転車用リチュウムイオンバッテリーに関しては韓国製が一般的になります。コントロールシステムは各自転車メーカーが法律に従い製造しています。

日本の電動アシスト自転車やeBikeは、法律上「駆動補助機付自転車」と呼ばれ、「道路交通法施行規則」というルールの中で性能の上限が24kmに決められています。 意外なことに、日本ではモーターそのものには出力規制はありません。 ちなみにEU基準ではモーター出力は250Wまでで、上限速度は25km/hとなっています。北米では国や州ごとに違いはありますが30km前後が多いです。

最後にフレーム素材。電動アシストスポーツ系自転車に使われる主なフレーム素材 は、クロモリ、アルミのが多くカーボンなどは少ないです。アルミの溶接部が見えないインジェクション加工やバッテリーを内蔵するデザインや機能など手の込んだ仕様もあります。電動アシストスポーツ系自転車にカーボンが少ない理由として、電動アシストスポーツ系自転車は、車重が重くなる(モーター・バッテリーだけで自転車1台分位の重量があります)という弱点があります。しかし自転車自体の重さをアシストパワーでカバーしますので、重さは一切感じません。
余談ではありますが、フル装備(前後にチャイルドチェア付き)のママチャリなどは、自重だけでも40kg〜50kgはあります。そして一般的には判りずらい、組立精度の高いメーカー(スポーク張力解放機、ホイール調整機、レーザーマーキング機、タイヤ取り付け機)で製作されたものがベストと思われます。

電動アシストスポーツ系自転車は、このようにパッと見は同じようでも実は異なるパーツの構成です。自転車はパーツの集合体であるため、フレームや構成部品のグレードが異なれば価格に差が生じるのは当然です。フレームを含む各パーツに使用されている素材、構造、精度が異なれば、車体の重量や乗り味は大きく異なってきます。この構成するひとつひとつのパーツのパーツの違いが値段の違いとなります。電動アシストスポーツバイクを選ぶ場合、予算に余裕があるのであればグレードの高いモデルを選択するのはベストです。電動スポーツバイクの世界で、動力性能は絶対です。しかし、気軽な山道のサイクリングを楽しんだり、通勤&通学など日常生活でも使用するのであれば、普及グレードでも必要にして十分です!