電動アシスト自転車のリチウムイオン電池とは?

よく聞かれる、電動アシスト自転車のリチウムイオン電池とは? 「36Vと48Vの違いと優位性」や「セル」とは何か?を簡単に説明します。

電動アシスト自転車の リチウムイオン電池 は、電気エネルギーを蓄え、モーターに電力を供給する 充電式の電池 です。
普通の乾電池(アルカリ電池)や鉛バッテリーとは違い、エネルギー密度(小さなサイズで多くの電力をためる能力)が高い ため、軽くてパワフル なのが特徴です。
リチウムイオン電池は 「正極」「負極」「電解液」「セパレーター」 という部品で構成されており、リチウムイオンが正極と負極を行ったり来たりすることで充電・放電が行われます。

▶36Vと48Vの違いと優位性

電圧(V:ボルト)とは?
電圧とは、電気を押し出す力 のこと。水道に例えると 「水圧」 に相当します。

36Vの電池 → 一般的な電動アシスト自転車向け(街乗り向け、低コスト)
48Vの電池 → スポーツタイプやハイパワーモデル向け(加速力や登坂力が必要な用途)

▶ 48Vが36Vよりも優れている理由

○ モーターにより大きな力を送れる → 加速がスムーズ&登坂性能が向上
○ 同じ出力を出すのに流れる電流(A:アンペア)が少なくて済む
◎ 発熱が減り、バッテリーや配線の負担が軽減(長寿命化)
○ 高速走行時の安定性が向上(高い電圧のほうがスピード維持がしやすい)

▶ デメリット
○ バッテリーが大きく重くなる(48Vのほうがセルの数が多くなるため)
○ 専用のコントローラー&モーターが必要(36V用のものと互換性なし)
○ コストが上がる(セルの数が増え、高性能な制御回路が必要)

つまり、48Vは性能が高いが、コストと重量のバランスを考える必要がある ということです。

「セル」とは何か? バッテリーは「セル」の集合体です。

リチウムイオンバッテリーは、「セル」 と呼ばれる 小さな充電池を複数つなげたもの で構成されています。

▶ セルの仕組み
1つのセルは 「3.7V」 の電圧を持っています。そのセルを 直列(+と-をつなぐ)に並べると電圧が上がる 仕組みです。

たとえば、
36Vのバッテリー → 3.7V × 10個(直列) = 37V(公称値)
48Vのバッテリー → 3.7V × 13個(直列) = 48.1V(公称値)

さらに、並列(横に並べる)にすると容量(Ah:アンペアアワー)が増える ので、バッテリーの持ち(走行距離)が長くなります。

まとめです。電動アシスト自転車のバッテリーを理解しよう!

○ リチウムイオン電池は軽量・高出力な充電池
○ 36Vより48Vのほうがパワフル&高効率だが、重くてコストがかかる
○ 「セル」はバッテリーの最小単位で、直列にすると電圧が上がり、並列にすると容量が増える

 これを理解すれば、電動アシスト自転車のバッテリー選びで 「どの電圧や容量が自分に合っているのか」 がわかるようになります!