自転車界の言語からズレている…

自転車の世界は、だいたい同じ言葉で動いている。軽いか、速いか、遠くまで走れるか。カタログは数字で埋まり、店では説明が続く。買う理由は、納得だ。

けれど、XTECHはその会話に入ってこない。トルクも語らない。グレードも誇らない。「試乗してから決めてください」とも言わない。そして、XTECHは機種が多い。本来なら比較表が必要になるはずの数だが、不思議と“選ぶ作業”にならない。

代わりに語るのは、どこへ行くか。誰と走るか。帰ったあと、部屋に置いたときどう見えるか。それは、道具の説明ではない。時間の話だ。たとえば腕時計。正確なだけなら、スマートフォンで足りる。それでも機械式を選ぶ人がいるのは、時刻を知るためではなく、時間を持つためだ。

XTECHも同じだ。移動のための自転車ではない。所有する風景のための自転車である。だから自転車業界と噛み合わない。ズレているのではない。見ている景色が違うだけだ。自転車界は「性能」を売る。XTECHは「体験」を置いていく。

速さは、いずれ慣れる。距離も、いつか飽きる。けれど、記憶は残る。このブランドが相手にしているのは、他社のeBikeではない。週末の過ごし方、そのものです。