ビームフレームの技術論もたまにはします。
ビームフレームという言葉から、自転車好きの多くの人は「しなりによる乗り心地」を連想するかもしれない。しかし、XTECHのフォールディングモデルはチョット違います。フレーム内部にバッテリーを収める構造である以上、中心となるビームはむしろ高い剛性を持たせる必要がある。つまり、このバイクの核は“しなる構造”ではなく、“しならない強い一本の骨格”にある。
では、乗り心地はどう担保しているのか。その役割を担っているのがファットタイヤだ。空気量の多い太いタイヤは、それ自体がクッションのような働きをする。路面からの細かい振動や段差の衝撃をタイヤが受け止め、フレームには過度な負担をかけない。この役割分担によって、フレームは剛性に集中し、タイヤが快適性を引き受けるという、非常に整理された構造が成立している。


この考え方は、単なる機能の話にとどまらない。フレームがしっかりと安定していることで、電動アシストのパワーを受け止める土台が明確になる。そこにファットタイヤの穏やかなクッション性が重なることで、走りは過敏にならず、どこか余裕のあるフィーリングになる。速さを競う鋭い反応ではなく、安心して身を預けられる安定感。このバランスが、このモデルの特徴と言える。
さらに重要なのは、この構造が見た目にも表れている点だ。バッテリーを内蔵したビームフレームは、外から見える要素を極限まで減らす。そこにファットタイヤのボリュームが加わることで、シルエットはシンプルでありながら強い存在感を持つ。機能ごとに役割が整理されているからこそ、外観にも迷いがない。


もちろん、重量やペダリング効率といった観点では、一般的な三角フレームに分がある部分もある。ただ、このモデルはそこを競う乗り物ではない。電動アシストとファットタイヤによって実用的な走行性能は十分に確保されており、それ以上に「どう感じるか」「どう見えるか」という部分に価値を置いている。
フレームは強く、タイヤはやわらかい。この明確な役割分担によって、全体としての乗り味が整えられている。そしてその結果として生まれるのは、過剰に主張しないのに印象に残る乗り物だ。XTECHのビームフレームは、構造そのものを整理することで、静かな完成度を引き上げている。

